図録紹介:富士山かぐや姫ミュージアム

『「河東」をめぐる戦国時代』

A4版 フルカラー 20頁 令和4年12月10日発行 価格200円

【目次】序章 河東とは?(富士市の戦国時代のはじまり) 第1章 河東乱入之刻(河東一乱はじまる) 第2章 河東第一之伽藍(善得寺と太原崇孚雪斎) 第3章 ”甲相駿三国同盟”の虚と実 第4章 信玄の駿河侵攻 終章 家康の河東支配(新しい時代のはじまり)

本書は、令和4年12月10日~令和5年2月26日の期間で、富士山かぐや姫ミュージアムで開催された同名展示会の図録です(執筆時点では開催中)。

「河東」とは、戦国時代に駿河国の富士川以東を指す広域地名です。下図は、図録に掲載された図で、分かりやすいので引用させていただきました。点線の範囲が「河東」地域です(推定)。

「河東」は甲斐の武田、小田原の北条、駿河の今川という戦国時代を代表する大名の境目で、三氏が同盟敵対を繰り返しながら争奪戦を行った地域で、天正10年の武田氏滅亡後は織田信長の裁定で駿河を得た徳川家康が領することになります。

また、北条早雲(伊勢盛時)が、今川家の跡目争いで功を上げ、「河東」の興国寺城(沼津市)をもらい、その後の北条5代にわたる隆盛を築いた出発の地でもあります。

本書は、少ない頁数の中でも、以上の流れを的確にまとめており、大変分かりやすい文章で、すっと頭に入ってきます。概説書としては、最適と思いました。

根拠となる古文書なども、大きく写真を載せていて、当時の雰囲気がよく伝わってきます。惜しむらくは、翻刻文が無いことですね。別刷りで付けても良かったかなと思います。もしかしたら会場ではあるのかもしれません。

財団法人歴史民俗博物館振興会ミュージアムショップ で購入しました。送料込みで600円かかりました。

買って良かった? ★★★★☆

 

 

         
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