本の紹介:戦国人名辞典

こんにちは、不識庵です。

「こんにちは」と言っても、いま夜ですが。
だいたい平日は仕事から帰って食事をすると、もうダウンです。年かな。

さて、今回紹介したい本は、『戦国人名辞典』です。この手の辞典は、あちらこちらの出版社から出ていますが、これは吉川弘文館が出したものです。
本体価格は、何と18,000円もします。これに消費税がプラスです。お高い。1216頁と分厚いです。

アマゾンで見ると、古本でも手に入るようですね。レビューはかなり低い。

『戦国人名辞典』(吉川弘文館)(アマゾン商品ページへ)

その理由は、内容が偏っているためです。版元の解説を見ると、北条・武田・上杉・今川・徳川などの大名とその家臣を中心としているとあります。そもそも、この辞典は戦国史研究会という学会の会員が主体となっています。ですので、とくに北条氏の家臣はすべて網羅されているといっても過言ではありません(戦国史研究会の前身は後北条氏研究会です)。
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これを知らずに買ってしまったのでしょう。約2万円は痛いよね。でも東国のことを調べる人は、持っていないとだめですよと言いきれるほどの充実した内容があります。一つは、古文書を中心とする史料に依って執筆されていること。そんなの当たり前じゃんと言うあなた。他の辞典を見てみなさい。違いがわかるでしょ。また典拠が明らかであること。紙幅に余裕があれば、集めた資料すべてを載せる勢いだった人もいました(誰?)。

執筆者は一から文書を集め、並べ、解釈して、執筆しているのです。実は私も執筆者の一人でした。誰これ、という人物を調べるのは大変。また有名な武将で史料がありすぎても大変、でした。

執筆者によって、内容にずれがある場合があります。本来ならば、すりあわせる必要があったと思います。しかし、この辞典は、当時最先端の研究者が執筆した最新の成果であり、項目の一つひとつが言わば研究なわけです。違いを見つけたならば、なぜ意見が違うのか、さらに調べる楽しみ(?)もあります。おざなりの辞典よりかは、なんぼかマシでしょ。

もう2006年というだいぶ前に刊行された辞典ですが、今ふと本棚にあるコイツを見て、当時の苦労というか、面倒だったなという感慨がこみ上げてきて、また版元では在庫僅少ともありましたので、今頃ご紹介いたしました。

買わなくても良いです。図書館で見て、使ってください。
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図録紹介:敦賀市立博物館

特別展『大谷吉継と西軍の関ヶ原』

盟友石田三成のために関ヶ原合戦に臨んだ義の人

A4版 フルカラー 平成28年7月23日発行

【目次】第1章 大谷吉継の決断(コラム大谷吉継と徳川家康、コラム佐和山会談の真相/深層)/第2章 大谷吉継の戦略(コラム大谷吉継情報戦を制す?)/第3章 大谷吉継の覚悟(コラム「関ヶ原合戦」の4ヶ月間)/第4章 大坂の陣へ(コラム大谷吉隆、コラム大谷吉継の家族とその行方)
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特別展「大谷吉継と西軍の関ヶ原」は、それまでに同館で開催された「盟友~石田三成と大谷吉継」(平成18年度)、「近世敦賀の幕開け~吉継の治めた湊町」(平成22年度)、「大谷吉継~人とことば」(平成27年度)に続く展示です。

よくまとめられた内容で、吉継が関ヶ原合戦に至る経緯がわかります。資料の中心は後世にまとめられた軍記物ですが、勝者側の資料である事を踏まえて内容を解釈し、どなたでもわかるように解説が工夫されています。本書は関ヶ原合戦をめぐって後世に伝えられた吉継の人となりが、どのように資料で確認されるのかについて追っており、現時点では最先端の解釈となるでしょう。ファンならば、吉継の実像に迫るコラム群は必読ですよ。

買って良かった? ★★★☆☆

敦賀市立博物館

ブログ開設から1ヶ月

こんにちは、不識庵です。

ブログ開設からもう1ヶ月たちました。旧サイトは閉鎖されて閲覧はもうできません。だいたい引っ越しは済んでいましたので、やれやれです。

本サイトは、ブログといっても固定ページが主体で投稿はあまりないので、どこを更新したのか、わかりにくいと思います。ですので、サイトマップを手がかりに探索してもらえればありがたいです。

今のところ、展示情報や図録紹介などを投稿していますが、本を読むのは時間がかかりますので、頻度も多くはならないでしょう。

いよいよタイトルからずれていく可能性がでてまいりました(笑)。そのうち関係の無い投稿が現れてもどうか見放さずにいてくださいね。

それでは今後もよろしくお願いします。

         
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